治療について
経肛門的洗腸療法とは
経肛門的洗腸療法では、直腸から下行結腸の便を排出することが可能なので、
排便に要する時間の短縮や、1-2日間の排便コントロールが可能となります。
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好きなタイミングで
排便管理ができる -
排便に費やしたり、
思い悩む時間が減少する -
生活の質が向上
治療方法
肛門からカテーテルを挿入して、
体温程度のお水を注入します。
経肛門的に直腸カテーテルを挿入し、1-2日に1回、300-1000mlの体温程度の水を注入します。
注入した水と一緒に直腸から下行結腸の便を完全に排出することで、便失禁や便秘の症状を改善できます。
引用改変:日本大腸肛門病学会.便失禁診療ガイドライン
2017年度版:南江堂.東京.2017.64
治療作用
経肛門的洗腸療法は、直腸から
下行結腸の便まで洗い流せる
排便管理方法です。
経肛門的洗腸療法は、直腸にカテーテルを挿入し、体温程度の水を注入することで便を体外に排泄します。このことで、普段の排便よりも腸をより空っぽにすることができ、便秘や便失禁の症状に悩む頻度や時間が減ることが期待できます。
治療の位置付け
初期保存的療法にて改善が見られない場合、
経肛門的洗腸療法が次のステップとして
位置付けられています。
排便障害は、上記の図を参考にして治療することができます。
経肛門的洗腸療法は、初期保存的療法である食事療法や薬物療法などの治療で十分な効果がなかった方で、仙骨神経刺激療法や人工肛門造設術などの外科療法(手術)を受ける前の治療の選択肢として位置づけられています。
あわせて、他の治療に切り替える前に、少なくともどの程度の期間その治療を試すべきかの治療期間の目安も示しています。
上記の図を参考に、医療従事者と相談してください。
参考文献:Emmanuel A. Chronic constipation: building pathways for better bowel management. British Journal of Healthcare Management. 2020. https://doi.org/10.12968/ bjhc.2020.0072
各治療法
バイオフィードバック
病院で肛門筋電計などの専用機器を使って、肛門括約筋や骨盤底筋を上手に締める方法を学び、自宅で効果的な骨盤底筋収縮訓練を行います。
仙骨神経刺激療法
心臓ペースメーカのような機器をお尻の付近に植え込む手術です。
順行性洗腸法
盲腸と皮膚をつなぐ小さな穴を作成して、そこから洗腸液を注入して大腸内を洗浄する治療法です。
人工肛門造設術
腹壁に排泄口を作成する手術です。肛門からの排泄に代わり、人工肛門から便を排泄するようになります。
治療のステップ
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Step1
下記の排便日誌PDFをダウンロードし、ご自身の症状について確認してみてください。
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Step2
STEP1の排便日誌PDFを提示し、かかりつけの医療従事者に見せて、相談してください。
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Step3
3ヶ月以上の初期保存的療法を行っても症状が改善しない場合には、次の治療として経肛門的洗腸療法を紹介してもらうことができます。治療が可能な病院については下記をクリックしてください。
公的医療保険について
経肛門的洗腸療法は、3月以上の保存的治療によっても十分な改善を得られない、脊髄障害を原因とする排便障害を有する患者(直腸手術後の患者を除く。)に対して、公的医療保険が適用されます。2020 年4 月に一部改訂されました。
在宅療養指導管理料 | 点数 |
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在宅で経肛門的に自己洗腸を行っている入院中の患者以外の患者に対して、経肛門的自己洗腸療法に関する指導管理を行った場合に算定する。 | 800点 |
経肛門的自己洗腸を初めて実施する患者について、初回の指導を行った場合は、当該初回の指導を行った月に限り、導入初期加算として、500点を所定点数に加算する。 | 500点 |
在宅経肛門的自己洗腸用材料加算 | 点数 |
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在宅で経肛門的に自己洗腸を行っている入院中の患者以外の患者に対して、自己洗腸用材料を使用した場合に、3 月に3 回に限り加算する。 | 2,400点 |
出典:令和2 年3月5日厚生労働省告示第57号 診療報酬の算出方法の一部を改正する件(告示)
自己負担について
3割負担の場合、初回洗腸にかかる自己負担額は、800 点+500 点+2400 点=3,700 点(1 点あたり10 円換算)となり、37,000 円の3 割で、11,100 円となります。次回からはご来院の頻度などにより自己負担額が異なります。 なお同じ月に2 つ以上の在宅療養指導管理を受けている場合は、主たる在宅療養指導管理料のみ算定されます。詳しくは医療機関にお問い合わせください。